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Blog/2017-06-07

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 平穏無事は宝物

西からゆっくりと梅雨前進が接近している。
九州も例年に比べて6日遅れて梅雨の入りが発表された。
今朝は珍しく中国・四国地方も雨雲が広がって、激しい雨が降り続いている。
一方この時期には梅雨の無い北海道は、さわやかな好天に恵まれるようだが
寒暖の差が激しい北の気圧配置は、海上保安部通報の「濃霧警報」が
毎日のように発令されるのもこの時期である。

昨日と今日は、どこの海域を走る船舶からも、動静備考欄には
平穏、順調な動静とコメントが入っている。
「 雨で視界は少し悪いが、海況は穏やかで船はすべり行く 」等々。
私も一夜明けて、皆さんの朝の穏やかな備考欄を拝見すると、役務柄ホッとするものである。 
しかし、また夜になると、今度は真っ暗な海にうごめく船が浮んでくる。

闇夜に動き出す習慣病のトラウマは、心が弱れば弱るほど、脳裏に焼きついて離れない。
いつしか枕もとの携帯電話に意識が移るのも、一つの職業病だと思える。
予期せずして、突然起きる一つの海難事故は、全身の血が逆流する衝撃である。
それ等は常に命を的にした自然界に展開するドキュメントであり
平穏な生活からいきなり逆境の淵に立たされる「どんでん返し」である。

正常な意識は突然乱入した異物を取り出そうと右往左往して
事故という異物を何度も何度も確かめなおそうとする。
覚えのない心は、受け入れがたい原因の正体を見つけようとする。
やがて現実に気づいた時、普段は当たり前と思っていた平穏な日々と時間が
そのとき初めて得難い「宝物」であったと気がつく。

そして損害を起こした相手に詫びる気持ちが心に溢れてくる。
一つの事故をきっかけに、逆境と言う波はどんどん強度を増して、私の中に増幅してくる。
それは堪らない逆境の波であり、高さでもある。
魂を揺さぶられながら、忍耐の時は過ぎていく。
幾つもいくつも高いハードルの波を乗越え、自問自答しながら消去法が駆け巡り出す。

その時を境に、また置き忘れていた時間が動き出す。
「これくらいで済んで良かった。」
「命があって良かった。」
「保険で償えるではないか。」
「自分は一生懸命にがんばった。」
「これから先は同じ事を続けてはいけない。」
言い訳しながら乗越えた壁の数々を振り返る。

そして、私の心にはまた一つ、トラウマが確実に残像となって影を落とす。
まるでヤクザの刺青のように、心の中にトゲが刺さったまま抜けなくなる・・・。
そのお詫びは、再発防止への悲願となって乗組の皆さんへの言葉になり
哀願となってこのページを掘り下げていくものである。



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