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Blog/2017-06-15

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海の道は無限大

6月の「安全重点目標」として「濃霧時は早期対応で安全航行」を筆頭に掲げたが
幸いなことに今年は一向に濃霧に出会った苦労話を聞かない。
しかし、不気味に南岸に控えている梅雨前線が活動を始めれば
矢庭に濃霧に遭遇する危険は必然である。
気持ちを緩めず、今一度濃霧について少し警戒感を持つ話題も
「 転ばぬ先の杖 」になるのではないだろうか。

「 移流霧とは 」
温かくて湿った空気が、冷たい地表面や海上を移動するとき
下層から冷やされると霧になる。
これが移流霧で、春から夏にかけて、三陸沖から北海道東方沖の寒流海域に
暖かく湿った空気が流入して発生する。
この海霧は非常に濃く長続きする霧で、高さは600mにも達する。
海霧が発生した海域では、船舶にとっては大きな障害となるほか
北日本ではこの霧が 流れ込んでくると、気温が上がらなくなり作物は冷害をおこしやすい。

世の中、先が見えなければ、計画も立てられず針路が取れない。
目が見えなければ何に突き当たるかわからないばかりか
目前の谷に落ちる事も不思議ではない。
幸いにも、船舶の航海は霧に関係なく、電波で見通せるレーダーがあるため
映像の中で障害物を避けながら航海を進めることはできる。

それでは、あの広い海原で船舶は何故衝突するのか?
陸上の人たちには非常に不可解な話のようである。
しかもレーダーを見ながら、その映像上で何故お互いが接近してしまうのか?
これも謎のような話であるが、私なりにその原因は次のように解釈できる。

〔 外洋航海の場合 〕
航海者は一旦針路を定めると、その方向から外れないように
ひたすら目的地に向かって針路を保とうとする習性がある。
そのため持続している針路を外れない保針の意識が働き
とかく小角度の避航針路〔 5度~10度 〕を取ってしまう。
お互いが同じ航路線上を走り、そのような意識を持つものであるから
小角度避航を繰り返しながら更に接近してゆく悪条件が生まれる。

その時、当直者はレーダー映像上に写る行合い船と
必ず衝突すると分かれば、そのように余裕のある針路で走る道理がない。
その証拠に間近に接近したときの転舵はハードの舵を取り切っている。
余裕のある時期に大きく真横に針路を取れば、相手船と接近する道理はないのである。
つまり、現針路から離れまいとする意識が
最も危険を孕〔 はら 〕む針路を取らせるのである。

三陸海岸のガスなどに行き当たれば、交わす針路ではなくて
初めから大きく逃げる針路を取れば、その殆どの衝突は回避する事は出来る。
〔 私は過去にそのような避航をして、危険な局面に至った事は一度も無かった 〕
ただし、安全第一は時にして大きくチャート上の針路から外れる事は否めない。
しかし、衝突すれば、針路から外れるなどと容易いな事では済まない。

それは濃霧によって、人生の進路から外れる事を意味するものである。
むしろ小角度の針路変更は、無限大に人生進路から外れて
元に戻らないことを覚悟しなければならない。
「急がば回れ!!」急ぐからと言って危険な最短の道を行くよりも
安全な長い道程のほうが、結局は早く着く。
逸れるのは危険を逸れる意味にもなる。
その意味を噛み締めれば、霧航海の衝突事故は大きく減少するはずである。



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