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Blog/2017-08-28

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恵まれない幸せ

今から思えば、子供心にあれが欲しい、これが欲しいという比較対象は何も無かった。
自転車が欲しいと思っても、周りの誰も持っていない物であり
何も無ければ人と比較する対象は生まれない。
つまり有り過ぎる、持ちすぎる現在では、他の人との比較論で
幸・不幸が心に往来する。

何も無い貧乏な時代には、お腹が満腹であればそれが幸せの中心であったように思う。
子供は元気に外で遊べればよくて、無いものは工夫して作って遊んでいた。
一本の棒切れはバットに出来るし、刀にもなった。
ボール遊びも素手で充分であった。

物が乏しければ比較も生まれないから、同じ貧乏なら、誰もが同じ方向になる。
それでも、今の子供たちより満ち足りた幸せ感があったように思う。
暑すぎた夏は、青い空に力強い入道雲の絵を見て育ち、団扇(うちわ)だけの風と
虫の鳴き声に癒されて過ぎて行った。 
何もないから、不平も贅沢も浮んでこなかった時代を、懐かしく思い出した私。
貧乏を知ることは、幸せを知ることに他ならないと、今頃気づいた私である。

島から飛び出して船に乗り、わき目を振らずまっすぐに、波に揺られて30年。
何かのご縁で同じ会社の陸上部門でさらに30年が過ぎて行った。
お蔭様で病気も怪我もなく、鍛えられた60年は、さすがに瀬戸の小島に生まれ育った私には
生まれ育った時からの道筋があったのかもしれない。
もともと才能も学歴もない私が、この世で食べてゆくためには
二つの道しかなかったように思う。

一つは、悪い事をして人を騙し、何かを奪い、社会の嫌われ者になって生きていくこと。
一つは、どんな道でもよい、誰にでもできる平凡な道を
ただ黙々と一筋、徹底して生きていくこと。

私は5人兄弟の末っ子に生まれて、姉たち3人に育てられたものだから
いたって優柔不断で、悪いことなどできる度胸は持ち合わせなかった。
ただ島の人達が乗り合わせた船と言う道に縁あって
乗出した道をただ徹底的に歩き続けただけであった。

長い人生、一筋の道は結果において、おもわぬ大きな力をいただいたと思っている。
「安全・健康」そんな話しばかりを口癖にしながら
いつしか私は継続する力を信じるように育っていった。
どんなに立派といわれる業績も、一つの海難事故だけで、大切な家宝の大皿を落として
みじんに砕いたような悲しみを覚えてしまう。
それはもう割れて砕けた大皿は二度と元には戻せない。
この凍りつくような悲しみを無くすために、私のできることは
皆さんに安全の尊さを訴え続ける以外には、解決の方法は見当たらない。
何年探しても、一人ひとりの心に語り続ける以外に方法は見つからない。

継続は力なり。
人は目的を失えば弱くなる。
続ける事を一筋の目的にして、海の道をまっしぐら。
安全遵守を言い続けることだけが、私が守り続けなければならない天命の道だと確信した。
自慢できることは何もないが、それだけで私は生きてきてよかったと思っている。



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