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Blog/2017-09-29

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貧乏自慢【 映画館 】

秋の訪れ・・。
この辺りでちょっと一息、昔々の思い出話し。

混雑した下町の商店街には、「南国土佐を後にして」
ゆっくりしたテンポの歌が流れていた。
次の曲は「潮来傘」「月の法善寺横丁」と流行歌がトンネルになった
アーケード街に賑やかに流れる映画館通りがあった。

極貧で田舎育ちの私が、大阪に就職して6ヶ月、娯楽も何も知らない幼さに
私は日曜日の時間さえつぶす要領が分からなかった。
そんなある日の事、先輩達の誘いで都島区の「 赤川映画館 」に
3本立ての映画を見に行こうと、誘われるまま連れられて
初めて映画館に入ったものであった。
3本立て100円、上映時間は約4時間程度であった。
私の給料が3,500円の時代であるから、100円といえども
決して安い娯楽ではなかったと思う。

例えば今時の20万円の給料に換算すれば
その当時の100円は5,700円に相当する計算になる。
しかし、当時は全く娯楽を知らない私は、立ち見の席で
石原裕次郎のタフガイのアクション映画に、完全に魅せられてしまっていた。

長い興奮の続いた映画館を出るころには私は完全に
一人のスーパースターになっていたものである。
両手のポケットに手を入れて、誰が文句を言っても後には引かない! 
肩で風切るスター気取りで、興奮のあまり「タフガイスター・裕次郎」が
乗り移ったままであった。 
無知と素朴過ぎる島育ちの田舎者が、都会の風に洗脳されるのは
いとも簡単に映画一本で変身したものである。

変身のマジックは工場の寮に帰れば、たちまち貧乏暮らしの、現実に戻されるのであるが
それにしても初めてみる都会のアクション画像は、人間を変えるほどの
凄まじい感情移入であった。 
物質に恵まれない時代は衣・食・住に貧しいだけであって
汚れの無い青年の心の器は、無限に近い渇望の入れ物であったに違いない。

映画を観てはスターになり、現実に戻っては大きな落差を感じつつ
私は青春のウネリの中、希望と可能性を探しながら次第に成長していった。
小遣いの続く限り、日曜日にはタフガイの裕次郎にマインドコントロールされ
その次の日曜日にはマイトガイの小林旭に変身しながら、少しずつ大人へと近づいて行った。

素朴すぎる青春は、毎日が発見の連続であり、感動の時代は厚みを持って過ぎて行った。
しかしこうして、人生に慣れ親しんみ大人になれば、物珍しい経験は少なく
日々は感動を失い足早に過ぎていく。
まるで立て板に水の如しスピードで、貴重な時間は過ぎ去って行く。



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