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Blog/2017-10-11

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いただきます ごちそうさま

私が船に乗り始めた頃には、まだ「 飯炊き制度 」が効果的に息づいていた。
24時間は30時間に相似するほどに働き通しであった。
眠る時間を惜しんで過酷な労働は限りなく巡って来る。

3度の炊事と片付け・船内掃除・風呂の水くみ(ポンプ)・当直見習い
入港出港・離接岸・積荷役と揚げ荷役・大人数の食料買い出し
先輩からの頼まれ用事(タバコと酒の買足し)
地獄のような時代が無ければ、今の自分は有り得ない貴重な体験であったと
私は感謝している。
人は何事も究極に追い詰めると、落ち込んだ洞窟の闇から見える一条の明かりでさえ
感謝の眼差しに代わる。
ありがたいと感謝が生まれる事は、今までの苦しみから心は解き放たれ
身も心も明るく照らされる気がする。

座禅の中にある言葉に、「お茶を頂くときには、お茶だけのことを考えて感謝し
ご飯を頂くときにはご飯だけのことを思い感謝せよ」
という教えがある。
しかし如何なるものか、今時はどこの喫茶店や食堂で昼食を食べても
傍らに新聞や雑誌を置いて、一度も顔を上げないで目は紙面を追い
ただ口だけが黙々と食べる行為をしている人が多いことに驚く。

ひとつの惣菜を作ってくれた人への思いも無く
美味しいのか不味いのかも表現しない食事態度である。
今昔、料理が生まれてくることには、沢山の苦労や手を経てこそ、口に入るものである。
ただお金を払うからそれで良いという考えは、余りに物を粗末に考えて
感謝を知らないあり方だと思う。

私は2年間、船で下積みの炊事を頑張ってきた。
先輩たちに頭をどつかれ、おかずをそのままゴミ箱に捨てられた失敗は何度も過ぎて行った。
そして、次第に先輩達が美味しいと言うまで、味付けや手段を工夫すればこそ
食べる人の顔色を伺うように成長していった。 

物が豊かになれば、人の心は貧しくなる。
物が便利になれば、人はそれが当たり前だと感謝を忘れる。
ふと、そんな寂しい思いに駆られる、無表情な昼時、喫茶店の食事風景を感じた。
美味しいものは人の心を幸せにする。
それは他の命によって育まれていることへの、感謝が生まれるからに他ならない。

食べるときには食べられる喜びを噛み締め
吞めるときには自分で働いた力水を呑んでいるのだと、健康に感謝できれば
全ての行いに生きる意味が生まれてくるのでないだろうか。
ちなみに皆さんの今日の昼時のおかずは如何に? 
一杯のカップラーメンでも命を育てる感謝で食べれば
間違いなく美味しいものではないだろうか。



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