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Blog/2018-03-09

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食足世平

通勤の朝、混雑も無いまま会社に早く到着の日は
時々広島の岸壁に立ち寄って、暫く海の状況を見る。
流石に昨日の今日は私の心境と同じで、雨に煙る港は寂しく釣り人の一人も居ない。
雨の向こうには金輪島が、かすんで浮かび
行き交う船の姿も遠く影絵になって雨に消えてゆく。

我家を遠く離れて頑張る皆さんは同じ風景の中
せめて気分だけでも前向きに、安全に頑張って頂きたい。
こんな風雨の日の船内生活はストレスとの共存
明るく調和の取れた職場を求めても、狭く孤立した環境は理想通りには行かない。
そして、いつも不満で不機嫌な生活を強いていれば
ストレスの充満は健康にとつて侮れない実態である。
 
しかしどんな場合でも、とりあえずは健康でご飯が美味しいところが
生活の出発点である。
ご飯と言えば、船の炊事関係は個々の自炊が続き
いわゆる単身赴任の生活が続く。
開放された海上の職場として、決して相応しい食事環境とは異なる
自炊事情が強いられている。

そこで「 食足世平・しょく そく せ へい 」と言う言葉がある。
これは日清食品の前会長(逝去)が事業の出発点として
社員達に一つの指導目的とすべく選んだ言葉である。
言葉の意味は食こそ、人間にとっては何よりも大切なものである。
食が無ければ、私達は自らの生命を維持する事すら出来ない。
芸術も文化も思想も全てのことは、食足りてこそ語れる原点であり
食こそ文化の中心である。
その理論にもとづいて、食作りを大事にせよと社員教育を育んできた。

そんな理論は物の乏しい時代にはもっとも輝いた言葉であった。
しかし、食が充分に行き渡れば、人間は勝手なもので
「 食べ放題/呑み放題 」なる無限の贅沢に走り
それぞれが勝手に自助努力で生きていると思いがちである。
この次は「 金足世平 」の心理になり、限りない贅沢を望み始めるにちがいない。

この言葉を知って、私は一番先に乗組みの皆さんから
「 3食 」の奉仕を奪ってしまった理念の貧しさを今も嘆き続けている。
今まさに船員不足のウネリの中にあって、その根幹の原因に
貧しい政策の誤りが存在することを、誰もが指摘しない。 
いつかは5人の乗組員の御腹がグっーと鳴って
本当の仕事だけに頑張れる日が来る事を、私は今でも願って止まない。 
 
春雨の朝、広島港沖をかすんで走る貨物船一隻・・・
今朝もインスタントの味噌汁の時間が過ぎて行く。
御安航を遠くから願うのみである。「 安足世平 」と祈るのみである。



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