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Blog/2018-05-21

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小石の波紋

皆さんの仲間の中には、年老いた親の面倒を見ている親孝行な人は沢山いる。
船には乗りたいが、年寄りの面倒も見なければならない。
それは現実には、大変な心配事である。

我が親であれば、側についていて面倒を見てあげるに越したことはない。
最近の進んだ医学で、長生きすればするだけ、火元やトイレや持病の事が気がかりになる。
まして離れていれば落ち着かない、肉親への抜き差しならない思慕の一念であろう。

私は、両親とは早くから死別した生い立ちから、心の底にはいつも両親への憧れが
何歳になっても息づいている。 
例え年老いた母でも良い、私の側にいるなら私は絶対に離さず大事にするに違いないと
今の歳になっても叶わぬ思いを捨て去る事は出来ない。
つまり、親に恵まれなかった者にとっては、長生きをする親への悩みは
ある側面では、贅沢な悩みとも思えてくる。

誰でも大なり小なり人生に悩みはつき物であるが
一つの悩みは立場によっては随分と変わってくることに気がつく。 
この前、親戚の集まりのとき、子供が就職できなくて困っている。
私の会社に入れてもらい、何とかならないのかと相談されたが
こと、海と船舶にまつわる仕事は、専門職に近い職業であるからと
上手に断る事ができた。
 
しかし、忙しいくらい仕事があるという悩みも
仕事がなくて困っている人から見れば、すごく羨ましいことかもしれない。
「 仕事があることは、実はありがたいことだ 」と思えば
忙しすぎて辛いという悩みも、少しは救われる思いに代わる。

入れ出しの航海が続いて辛い・・・
仕事ばかりをさせる・・・
時化ばっかりを走る・・・
乗組員が気に入らない・・・
会社の対応に腹が立つなど等
きりのない苦情と悩みは、知らず知らずのうちに自己本位に陥っていないだろうか。
 
悩みは池の中に小石を投げ込んだ波紋とよく似ている。
小さな波紋は限りなく輪を描いて広がって行く。
世の中には働きたくても働けない人は沢山いる。
忙しい事も、仕事が無い人にとってはすごく羨ましいことに違いない。
いま、皆さんが苦労と思っている事も、視点を変えてみることで
恵まれている条件は様々に存在する。
自己本位に陥らず、人の苦しみも人の身になって上げられる事も
大切な考え方ではないだろうか。



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