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Blog/2018-07-24

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航海者のモラル

某海事補佐人の書かれている海難調書によれば
某港を出港した199トン貨物船は船長自らの油断で
輻輳海域にも関らず見張り不遵守に陥り、錨泊中のタンカー船に
全速力のまま衝突したものと記されている。

タンカー船の船尾は大破し、舵・プロペラ・軸・外板・ウインドラスなど
主要な部分の損傷は極めて大きいため、膨大な金額の修理推定額が算出されたとの事。

審判後の批評を次のように述べられている。 
「 最近携わる海難事例の殆どは非常に不愉快なものばかりで
 「 それは気の毒でした 」と、同情できる物件は殆ど見当たらない。
  つまり、前を見ることが当たり前の見張りさえも疎かにされている。
  さらに、海図も使わないで走っている例・減速すれば防げる例・報告を怠る例
  事もあろうに居眠り防止機の警報が鳴らないように操作して、居眠りをします。
  という事故もあった。 
  これ等には同情する欠片も見当たらず、心構えの問題で
  モラル低下が著しい事故ばかりである。 
  つまり、海人としての技術のいろはにも到達しない低レベルの事故形態が続いている。」
と、話が結ばれている。

法定・最低限の職員配置すら脅かされる昨今、その人手不足を思う時
「 運航が優先 」か「 安全が優先 」か、優劣をつけがたい市場原理に
管理者自体が追い詰められている矛盾に突き当たる。
しかし、いかなる状況であっても、危険な海上を運航する船舶が職場である以上
意識の中心に位置させるものは、常に「 安全遵守 」一筋でなければならない。

最近、裾野まで広がる生活の便宜は、当直しながら洗濯機を回し
さらに携帯電話のメールにのめりこみ、スイッチ一つでCDから演歌も流れる時代である。
何が大切で何が必要なのか物事の本質が歪んで、その本質を捉える事は
なかなか難しい現代であろう。 
ここで一つの確かなことは「 良い航海 」とは「 良い人生 」に繋がる事である。
海難事故は起きなければ、改めることが出来ない軽視があるとしたら
「 馬鹿は死ななきゃ直らない 」意味に相通じる。

よくある話。
力を合わせて辿り着いた港の一夜。 
くつろぎに皆で囲む夕餉の一時・・・
ふと許した縛りを解けば、許した気持ちに余計なお酒が入る。
楽しいと思うはずの語り部が、いつの間にか怒鳴りあう不愉快な時間に変化する。
そんな時、「 明日があるから今夜はこの辺で終わろうよ・・・ 」
その常識の一言がどれほど大切であろうか。  
飲みすぎれば毒になり人間の本質を損ねる。
船を守る事は自分を守ることである。 
団体生活に自分だけが幸せになることは有り得ない。 
自らの生活意識を安全運航にしっかりとリセットする事で
皆さんの航海は迷い道には入らないと確信できる。



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