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Blog/2018-10-30

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気づいた時はもう遅い

両親への恩を語る言葉に「 子供は産んで育ててみて、初めて分かる親の恩 」
と言うものがある。
幼いときから子供の成長を見守る親の苦労は、半端な苦労では済まされない
愛情のすべてが凝縮される。 
やがて自分が親になって老いたる両親の姿を見るとき
何とこの人達にあまえて育ってきたものだと、感謝の念が湧き上がるもののようである。

本音を言えば、自分で体験してみなければ分からないことだと思える。
この諺を我々の安全運航に置き換えれば、
「 海難事故を体験してみて、初めて分かる安全の尊さ 」と言う言葉につながる。
この場合「 安全 」は両親であり「 海難 」は愚かなる当事者と言うことに当てはまる。

愚かしいあて言葉であるかもしれないが、私は多くの海難事故の処理にあたった経験を経て
我が身に降り掛かった災難に打ちひしがれる人々の心の淵を、何度も覗いた気がした。
分かりきった事が、自分の未熟さに気づくことができず
もっと早く反省の念が育っていれば、このように人様に迷惑をかけることも
自らが恥ずかしい思いを体験する事もなかった。

海難審判で被告の席に立ったときではもう遅い、親の恩と同じように
安全を尊ぶことはこの世に生存する本当の価値を守ることであろう。 
昨今の政争にもなっている「 原子力発電の是非 」が問われ続けている。 
突き詰めて考えれば、これもまさに人命の生存をかけた「 絶対安全 」の確約を
語るものに違いない。

この世で一番立派な心とは、人を「助ける心」と「感謝する心」だという。
この世で一番悪い心は、人を倒し、物を粗末にする「恨みの心」だという。 
自分の事は忘れて、人のために尽くすという行為は本当に難しい。 
それが人の親となれば、我が子可愛さに見事に成し遂げられるようである。 

ところが自己中心的な人が一人介在する事で、船内の協調の和は吹き飛んでしまう。
物を粗末にして船内に不協和の風を吹かせる者は感謝も知らず
ただ恨むだけで秩序を無視し、そんな利己的な行動は海難事故へと直進しやすい。 
人の心は正しい方向に向かない限り、今生の幸せの女神は決して振り向きはしない。

皆さんが乗船する船舶は皆さんの命を守る親でなくてなんであろう・・・
そこに働く子供たちよ「 安全遵守 」こそ、我が親に向った孝行〔 航行 〕ではないだろうか。 
一つ船に乗る仲間がお互いの間に協力と信頼を結べば、「 絶対安心 」の輪は
末永く大きく広がるに違いない。



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