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Blog/2019-02-27

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ウサギとキャラメル

貧しさの中にも夢や希望がある。
あれは私が小学校4年生の頃だったと思う。
私は学校からの帰り道は必ず寄り道をして、あぜ道や山道を通って帰るのが日課になっていた。
それは、私が飼っていたウサギが歓んで食べる「 乳草 」を探すためであった。 
何故ウサギを飼うのかと言えば、これもアルバイトであった。

島には他の町からウサギ売りのおじさんが、両てんびんの籠にウサギ担いで
月に1回やってくる。
まだ子供のウサギを1匹50円で売るのである。 
そのウサギが親になったら200円で買い取る約束で、私は大枚50円の小遣いを払って
200円の繁殖成果を試みることにした。
不器用なまま、早速ウサギ小屋を作って、床には麦わらをひいて可愛がった。

早く大きくなれ早く太れよと、毎日毎日勉強より乳草採集に夢中であった。 
苦労しながら飼って数ヶ月が過ぎる頃、ウサギ売りのおじさんがやってきた! 
「大分大きくなったから買ってやろうか?今なら100円で買ってあげるよ。」
と言うのである。
私は「もう少しで親になるから、今は売らない。」と言ったら
「それは駄目だ!ワシは当分、この島には用事があってこられない。」と言う話しであった。

「ワシが島にこられなければ、例え親ウサギになっても買う人がいないから
全部損をするんだよ!」と、言われて、泣き泣き承知したら渡されたのは50円だけであった。
そして残りの50円は「又代わりの子ウサギをおいて帰る代金だ」
合計100円だという。

そんな子供だましの仕組みで、結局、私は又子供のウサギを飼い始める羽目になった。 
愛情の移っていたウサギとの別れに、もらった50円はいつの間にか
1箱10円のキャラメルに消えていった。
 
そこに残ったのは元の小さい子供のウサギだけだった。 
結局そのおじさんは、次の月もやはりウサギを売りに島には来ていた。
そして、私はまた、乳草を集め始めた。
何故ウサギを売って又買っていくのかは、幼い私には分からなかった。
それは多分食肉に変化させるか、毛皮を取るためだったと、今なら理解することが出来た。

私のウサギはきっと食べられたのである。 
この話しは今になっても忘れる事のできない、ポケットの奥にいつも閉まってある
青いトマトの味に似た思い出である。



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