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Blog/2019-04-02

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気転を利かせる 安全学

時代は「 平成 」から「 令和 」へと元号が改まる。 
新天皇即位の5月1日より「 令和 」へと日本国の統一された意志を求めんとする
新時代の幕開けである。

「 令和 」とは「 令 」神のお告げ。
「 和 」和を持って制す。 
政治・経済・環境・世界観は様々な変革期を迎えんとするさなか
日本国の旗印のもとに和を重んじて一致し、夢や希望の咲き誇る時代を築き上げる願いとして
「 令和 」の元号が定められたものと解釈する。

話しは目出度い「 令和 」から一気に昭和へと後戻りする、昭和40年代の海の話し。
私は船長見習の頃であった。
大時化に能登半島の飯田湾に避難錨泊をしていた。
天気図と睨めっこをしていても一向に冬型が収まらない。
今日もまた一日、避難継続に甘んじるものと、落胆していた夜明け時であった。 
突然、ドアをノックする間もなく、大きなドラ声で「船長!いつまで寝ているのですか?」
大敷き網の小船が漁に出ているというのに、我々の大きな船が
ここに避難しているのは可笑しい。
と、年長のベテラン甲板長が太い地声のドヤ顔で入ってきた。

「 今日は無理だろう! 」と答えれば「 こんな雨風を避けた影に避難していれば
外海の様子は分からない!そもそも昔から、上手な避難とは一日1回
朝になれば他所の船より先駆けて、港の外に出てみることが、正しい避難の仕方ですよ! 」
一旦、様子見に外海の状況を覗き、自分の目で確認をして明日の予定を立てるもの。
それが本当の上手な船頭の避難対処だと言う。
流石に漁師上がりに磨きをかけた、口は荒いが親切心溢れる立派な意見であった。 
なるほどと、若い私は豪快な甲板長の言い分を素直に聞き入れ
期待しないで素直に出港してみようと思った。

一旦外海を覗いてみれば、改めて避難の計画は立てられると思った。 
今時の有り余る予報やインターネット情報とは異なり
ラジオ放送に頼って描く天気図以外は情報のない時代のこと。
乗組員の勘とやる気にかける部分は侮れない、説得力のある貴重な意見であった。

何と!出港してみれば予想に反して冬型は少し収まり
頑張ればそのまま走れそうな気配に驚いた。
天気図が示す数値や気圧配置は、地域的には実態と異なる場合が多々発生する。 
若狭湾には若狭湾独自の低気圧が発生したりするようで
このとき甲板長の豊かな経験に学ぶべきものがあったと
素直である事の大切さを学んだ思いであった。

何と安全遵守とは難しいものであろうか。 
勇み足で一歩前に出ればつまづき、慎重さが足りないと侮られる。 
「 懲りる前に懲りよ 」「 石橋を叩いて渡れ 」とも諭される。 
しかし、前記のように慎重論ばかりでは、物を運ぶという成果は
一向に前に進まないのも事実である。 
人の生き様は時には自己を突き放し、チャレンジするところに
創造と発見が生まれることは多い。

つまり、いかなる状況に置かれても「 安全な行動 」には
「 気転を利かせる 」ことが如何に大切であるかを学ばなければならない。
そのときの状況を熟慮しながら、真実を見極めるために行動する
「 臨機応変な対応 」は、とても大切な安全学であることを証明している。



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