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Blog/2019-04-15

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誠実の提灯 心に一つ

私の幼い頃、島の生活には道々に街灯の一つも無くて
月明かり以外、夜道はいつも真っ暗闇であった。 
私が小学校に上がる前までは、本家のお祖母さんは母親代わりに、我家へ泊まりに来ていた。
冬の夜道はもうすでに薄暗く、姉達は夕餉の支度に手を取られるために
いつも本家迄お祖母さんを迎えに行くのは私の役目であった。

私は左手にお祖母さんの手を引きながら、右手で足元を照らす。
一張の提灯〔 ちょうちん 〕が頼みの道案内であった。 
何処の家庭からも夕餉の茶の間に、薄ぼんやりと幸せの明かりがこぼれていた。
二人はひっそりと凍りついた空気に襟をすぼめながら、舗装の無いでこぼこ道を
躓〔 つまづ 〕かない様にひたひたと歩いたものである。

今昔、暗い夜道に一張の提灯を懐かしく思い出すとき
私には夜の海を黙々と走る、皆さんの航海灯が重なって脳裏に映し出される。 
私の幼い頃は乾電池も無く、一張の提灯以外の照明はどこの家にも無かった。 
暗い夜道を行く提灯の役割を思えば、その灯りは船の航海灯と同じで
深夜に目を光らせる一人の当直者にも似て、想いはつながる。

船舶の夜目も見張りには余分な明かりは目障りで
澄み切った闇の向こうに見える他船の航海灯が鮮明に見えるほど
航海の予測は楽に見渡せる舵取りの条件であろう。
少年はお祖母さんが傍にいなければ寂しくて眠れないように
一人の当直者は仲間たちが、信頼を寄せて眠れる一張の提灯でなければならない。

行く手には沢山の障害物と、迷い事が漂う・・・
そんな時には懐にたたんでしまえる提灯が一張りあればよい。
その提灯はとても便利で「 誠実 」であったり「 知恵 」であったり
「 信頼 」であったり「留守中の家族」であったり
漆黒の海を安全目指して走りゆく心の燈明になる。
私の例える懐の提灯は、乗組みの全員が持つ「 向上心 」であり
「 安全安心を支える真実 」でなければならない。

凍りついた夜道に野良犬の遠吠えが聞こえる「 ウォ~・ウォ~ン 」
お祖母さんの暖かい手をしっかり握りながら、幼い私は農業に荒れてしまった
ゴツゴツの手を曳く。
昔話をねだりながら提灯を足元に照らす。
提灯はユラユラ揺れて二人の影も一緒に揺れながら影を引く。
誰でも、行く道に一つの明かりがあればそれで良い。
明かりと共に前に進めばよい。
私にとってその明かりとは、皆さんの安全航海がいつまでも続く
深い願いに違いない。



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