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Blog/2019-08-30

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迷わず歩め 一筋の道

人それぞれ人生には必ず幾度かの転機と言うものが訪れる。
私がまだ25歳頃の初々しい時代の話に戻る。
その当時の乗組員の陸上休暇は、あってないに等しい貧しい待遇であった。
記憶を辿ればその当時、6ヶ月の乗船で12日間くらいの休暇を貰っていたように覚えている。

私は結婚をしたものの、家族的な生活には全く恵まれない不満から
思い余って一度下船したら、陸上の仕事に転職しようと本気で考えた時期があった。 
家族のためにと思った私の愚かな考え方に、新妻はアッと驚くような
答えを出したものである。

「 貴方が船の仕事を辞めるなら、私が勤務している会社を辞めます。
  そうすれば2人の時間は、いつでもつくれます。 
  家族のために仕事を辞めるより、船の仕事を一筋に頑張ってください。 
  私は船乗りと結婚したのだから、寂しい事は覚悟の上です。 
  男はやりかけた仕事は辞めてはいけない。」
彼女は7年間勤務していた会社を、見事にすっぱりと退職してみせたのである。

このとき、もし私が船を辞めていたものなら、私の人生は全く違った方向に
向かっていただろうと思える。 
家庭円満も、自己中心的になると壊れるが、相手を喜ばせると
お互いの喜びとなって返ってくる。 
妻の決断と実行は、私の人生、本筋の道を決めた岐路になったような気がする。

人生とは「 七転び八起き 」の中でも、むしろ失敗の方が多くて
成功なんて挫折の数からしてみれば、ほんの僅かな数である。
藁(わら)をもつかんだ一握りの決断が、私の挫折を救ったのかもしれない。
明日と言う日はいつも未知数であり、迷うことも失敗することも沢山ある。 
それが生身の人生だと思う。
しかし、大事な事はそこから先である。 
失敗の後に人はどのように取り返す努力をするのか、時には不屈に挑む時期があってこそ
失敗の価値を見出すことが出来るのだと思う。

長い道程に一つや二つの迷いを通り抜けなければならないときは必ずある。
私の辞め癖をここで止める為に、彼女は待遇の良い勤務先を
自らがすっぱりと退職して私の脱線をいさめた。
これは私にとっては実に大きなインパクトになった。

「 さ~ぁ、泣いても笑っても、此処で大黒柱にされてしまった 」
その時、私の覚悟は初めて決まった。 
迷わず頼られて再出発だ! 
海の仕事で自分の将来を見出していこう!
そう決心したことで、今まで迷っていた全てが一気に霧が晴れるように透き通っていった。
もっと上級の資格を目指そう。 
船長を目指そう。 
この妻の為に家も建てよう。
と、覚悟が根付いてきたのである。
それから間もなく、私が乗船中の船舶は、船長が心臓発作で倒れ
私が代理船長と言う運勢が巡ってきたから不思議である。

大よその人生は、人の不幸を踏台にして幸せが訪れる。 
つまり辛抱していることで、必ず空席が見つかるものである。 
不思議な巡り会わせに私は燃え尽きるほどの執念で
未熟なまま船長職へと突き進んでいったのである。

私は一航士を1年経験しただけで、船長の空席に収まった。
満25歳の夏であった。
失敗・挫折・あってはならない海難事故・試練は限りなく続く。
同じ失敗の無いように、前向きに素直な気持ちで頑張ろう。
それが大きな人生の転機となって、大きな自己の確立が生まれてくることは多い。



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