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Blog/2019-10-10

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貴重であればこそ乏しい

航海技術とは安全性と信頼性と経済性の技を言う。
「 航海に出る 」と言う事は、同時に未踏の明日に向かうということだと思う。
この道、幾十年と言うベテランと若者が共に乗り合わせた、人生航路の船出にもあたる。
老人には荒波を乗越えた体験があり、若者には果てしない未知へ挑む勇気と若さがある。

少子高齢化の社会は、海運の職場にもより多くの問題を投げかけたまま
アンバランスな年齢構成が、今も矛盾のまま続いている。 
世代への継承は危ぶまれながら、未だに改善は図られないのは何故であろうか。 
それは単に人数を合わせで補われる数の問題ではなくて
経験と幅広い知識を必要とする、海技の専門技術であることを証明している。

自然環境を相手に乗り出す技術は、如何に造船技術や設備が高度に対応できても
経験による判断に委ねる部分が多いことは、避けて通れない技術継承である。 
同じ輸送体系でも、陸上のトラック輸送を例に取り上げれば一目瞭然の答えがある。 
トラック輸送には人手不足は存在しても、若年層が育たない業種ではない。
陸送の場合は知識や高度な技術より、体力を優位に要求される職場に違いない。

皆さんの働く船舶は昔から「 乗って3年 」と言う瀬戸内海当直の年季明けが存在した。 
それは複雑な島伝いと海峡を安全に繋ぐ、特殊な航海技術であり
専門職の色彩が強く息づくことは今昔何も変わらない。
又、荒れ狂う外洋は、予想を超えた海洋現象はあらゆる変貌を投げかけて止まない。
海の持つ巨大な破壊力を防ぐ事は誰にも出来なかった現実
あの大津波の計り知れない威力は人々の記憶に、今も鮮明に残っている。

航海技術とは長い経験を積重ねた下に築かれていく、高度な技術を此処でも証明している。
海を読み、船と船の行く手をくぐる技術は「 乗って3年 」で完成されるほど
単純なものではありえない。
常に海にあって置かれた境遇から様々な経験と知識を得て、人間を形成していくものである。
多くの海に携わる人達は、その技術に胸を張らなければならない。

無作為が通用しない海の道であればこそ、人事は不足が続くものである。
いつの時代でも、若者には老人の知恵が必要であり、老人には若者の活力が必要である。
船出をして目的港に向うとき、未知の行く手に必要とするものは
経験から得た知恵と逞しい力である。 
航海技術とはそれらを総じて、安全性と信頼性を確立させたる技を言うのではないだろうか。



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