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Blog/2020-06-17

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出船 入船 人生航路

皆さんの船舶は、常に航路の良否、海況と積荷に左右されて
感情の紆余曲折が生まれてくる。
一つの航海を成就するまでには、荒天あり濃霧があり
強い潮流の海峡を乗越えて船は目的に向かって進む。 
それは人生と同じように決して穏やかな一本の道ではない。 
変化に富み、万難を排する日々こそ、人生航路といえるのではないだろうか。

長距離と苦難の果ては、誰もが街の雑踏を恋しいと思い
家族を忍び、人恋しい心境に変化してくる。 
これも海に閉じ込められた、我慢の中から芽生える人生の味だと思う。 
私も船乗りの見習いをしていたころには、この閉塞感から逃れるために
何度船を下りようと思ったか数知れなかった。
ただ私の場合は、一度陸上社会の就職に失敗したために
もはや行き場を失った、再々就職であったことが幸いした。

ここにも少年の心を痛める人生航路があって、仕事自体を好きにはなれない
船酔いの忍従生活が私を苦しめた。
そして時と共に我慢することを覚え、いつしか我慢が普通だと思えるように変わっていった。 
「飯炊き 」から「 甲板員 」へ、そして「 操舵手 」へと、ステップしていくうちに
心はいつしか我慢の向こうに希望を見つけるように成長を促す。

まさにそれが「 飯炊き 」修行であったように思える。 
明日から私の下に「 飯炊き 」の新人が乗船してくる。
そして私は三度三度の食事から解放される。 
辛かった一つの職務を卒業できる、その達成感は言い知れない喜びであった。
たかが「 甲板員 」に上がれただけのペーペーの立場であっても
そこには言い知れない、一つの目的を成し遂げたという醍醐味があった。

どのような仕事も楽しいという種類のものは少なく、苦痛の方が多いものである。
初めて飲むビールの味はどうであっただろうか。
こんなに苦いものが何で美味しいのか分からない、たまらない苦さであった。
しかし、その味やコクが分かりはじめるころには
いつしかビールの味に慣れて好きになっていった。

歳を取り、少年のころの苦労を思い出せば、今では微笑ましくさえなる人生道。 
船の航路と重なって、もう一度船乗りになってみたい思いにかられる。 
人生航路は苦しみや悲しみを常に避けていたのでは、その味は分からない。 
航海には大きな試練が待つように、その厳しい海況を乗り越えてこそ
本当の人生道の幸せが見えてくる。

もうすぐ入港間近の街灯りが見えてくる。 
振り返れば、苦労の道も愛しさを覚え、その味を楽しむことさえできるのではないだろうか。
安全への航跡は思い出を連れて今日も白く果てしない。



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