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Blog/2020-06-24

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船内に味噌汁香る

多忙な航海が続いた。
入れ出し運航は時化続きで眠れなかった。
やっと訪れた休息の一日、ゆっくりした停泊の朝は、通路に漂う味噌汁の香りと共に訪れた。
そんな朝、年老いた機関長の目覚めは早い。
「 あぁ~よく眠った 」昨晩の入港からぐっすり休んで、今朝は一息。
接岸までは十分余裕がある。
やがて通路に味噌汁の香りが漂いはじめて、平穏な家庭の雰囲気が目覚めの嗅覚をくすぐる。

某船から届いた備考欄の一説。
「 今朝は久しぶりに機関長の炊く味噌汁の香りが船内に充満している。
  早起き機関長の味噌汁はとても美味しい。
  少し気を利かせるだけで、船内にも暖かい家庭の香りが届く。」

人員削減で個人個人が炊事するようになって、味気ない船の生活はさらに味気なく過ぎてゆく。
同じ船で生死を共にする仲間が、今は一緒にご飯を食べることもなく
思い思いの時間に思い思いの食事が味気なく過ぎてゆく。 
そんな時節に、自らが仲間の為に味噌汁の一杯を気遣う暖かさは
「 いい仲間だな~ 」と我ながら嬉しくもなる。

私はその善意に反省しなければならないと思った。 
毎日食卓の前に座れば、目の前に作られて並べられる妻の手料理に
すっかり感謝を忘れている我の身勝手に気がついた。
「 塩辛い・味が甘い・固い・・なんで昨晩と同じ料理か・・ 」
いただく心をすっかり忘れてしまい、食べる権利だけを贅沢に主張してしまう。
さらに「 いただきます・ごちそうさま 」の両手を合わせる感謝の心もすっかり忘れている。

「 いただきます 」何を頂くのか?
それは、食べることによって、我々は生命をいただくのである。 
味噌汁一杯の振る舞いが、どれほどのものであろうとも、その人の喉を通り
身体を温めることは、生命を頂いている素晴らしい振る舞いではないだろうか。 
毎日毎日普通になんともなく食べているご飯や、食後に飲んでいるお茶にも
沢山の魂は宿っている。

私がよく暖簾をくぐる店には
「 お酒は 自分で働いたお金をもう一度自分の身体に注ぎ込む だから美味しいんだよ 」
と、洒落た名文句が掲げてあった。
う~んと唸りながら命の本質を感じる。
汗して働く意味、そして、美味しいと思うには
「 いただきます 」の感謝の心がセットになっている。
そのことに気がつく今日この頃。

早起きで一杯の味噌汁の恵みは素晴らしい。
例え面倒であれ、一杯の味噌汁はお膳を囲む乗組員の触れ合う機会が増して
船内の融和は次の善意をさらに生むに違いない。
梅雨の晴れ間は、暑い日々が続いている。
皆々様のご健勝を心より祈念いたし、堅牢な友情が芽生える我らの職場に
安全航海が続く事を願って止まない。



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