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Blog/2021-03-04

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闇夜に覗く人生航路

荘子の言葉に「 井の中の蛙 大海を知らず 」されど「 空の蒼さを知る 」とあり
深い闇に閉ざされた深い井戸の世界にただ一点・天空の光だけを未知の世界として見上げる。 
不思議な世界を想像させる情景を表現している。 
この言葉の中に私はふと、皆さんの深夜当直が重なって浮かんで来る。

闇の中に目を凝らすためには、自らの所在が深い闇でなければ周囲を見渡す事は出来ない。
闇の海峡を無事に通り越した先に、朝が訪れ周囲に明るい陽射しが注がれてゆく。 
つまり船舶の航海当直は、人生そのものを模写した姿に近いのだと思える。 

人間は自分が苦しくて行き詰まったときは他人のことまで考えることはできなくなる。
それは闇から闇を見ようとしている姿によく似ている。 
夜の暗闇でもじっと目を凝らして、僅かな明かりや、微かに点滅する灯火をさがす事で
船舶の針路は次第に定まってゆく。 
漆黒の闇から光を探すことで、船も人生航路も安全な海路へと
導かれてゆくものではないだろうか。 
人生航路は相身互い、何事も分かち合えば苦労は半分になり、幸せは何倍にも広がる。

そして立ち上がった波も必ず引いていく様に、良いことも悪いことも半分半分に訪れる。
つまり苦楽に揉まれる環境であればこそ、切磋琢磨の成長が望める。 
突然遭遇した不幸に「 何で、自分だけが・・ 」と、つい塞ぎ込み、人を羨み
憎しみの感情に溺れれば、心の闇の部分にとらわれてしまいがちになる。

闇とは明かりを見るための闇であり、苦労は喜びを知るための一つの闇ではないだろうか。
例えば平々凡々と苦労知らずで、いつも泰平にのうのうと暮らす人に
人としての目覚しい成長があるのだろうか。 
どんな人でも初めから心豊かで、物事を広く包める大らかな人は存在しない。
苦労して初めて報われ、また苦労を重ねてこそ、七重八重の人生は育まれていく。
そして人は人として成長していく。

これから先をどのようにして生きればよいのか、悩みという闇の包まれたとき
皆さんは夜の当直を思い出せばよい。 
人生には「 努力して解決できること 」と、「 努力しても解決出来ないものごと 」がある。 
悩むべきは、後悔や恨みで解決するものではなく、問題に対して努力を続けてこそ
進むべき進路を望むことができる。
暗闇の当直、漆黒の夜こそ、人生航路の彼方に蒼空が見えてくる。 
人生は回り道で結構。 
回り道を歩くからこそ、健脚な脚と心が育つのではないだろうか。



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